元記事公開:
モーリシャスのサンゴ礁が白化、復元施設による再生の取り組みが進む
インド洋の島国モーリシャスで、気候変動に伴う海水温の上昇により、サンゴ礁の白化現象が深刻化している。同国には約250種のサンゴと150キロメートル以上にわたるサンゴ礁が存在し、豊かな海洋生態系を支えてきたが、近年その衰退が顕著に進んでいる。
白化現象とは
サンゴの白化は、海水温が一定以上に上昇した際、サンゴが体内に共生する褐虫藻(かっちゅうそう)を放出することで起こる。褐虫藻はサンゴに栄養を供給する役割を担っており、これが失われるとサンゴは白く変色し、長期間にわたって回復しなければやがて死滅に至る。モーリシャスでも多くの海域で白く骨化したサンゴが確認されており、生態系全体への影響が懸念されている。
「サンゴ保育園」による復元の取り組み
一方で、サンゴ礁の再生に向けた具体的な動きも進んでいる。人工的にサンゴの稚体を育成する「サンゴ保育園」と呼ばれる施設では、損傷を受けたサンゴ礁の回復を目指した研究と実践が行われている。
2025年3月には、東部のベルマーレ(Belle Mare)をはじめとする複数の地域で、施設で育成されたサンゴの植え戻し作業が実施された。こうした取り組みは着実に成果を上げ始めており、研究者の間では、保育施設が気候変動の影響を受けたサンゴ礁の復興において重要な手段になり得ると期待されている。
今後の課題
サンゴ礁の保全には、復元作業の継続に加え、海水温上昇の根本的な原因である温室効果ガスの排出削減も不可欠となる。モーリシャスの海洋生態系を将来にわたって守っていけるか、現地の取り組みの行方が注目される。