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第二次大戦中に失われたイディッシュ語の歌、上海で初のアジア公演へ

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第二次世界大戦中、ウクライナのゲットーで歌われていた反ファシスト系のイディッシュ語の歌を現代によみがえらせるプロジェクト「イディッシュ・グローリー(Yiddish Glory)」が、アジアでの初公演を迎えることになった。上海、香港、韓国の3都市での開催が予定されている。

本プロジェクトは、トロント大学の研究者アンナ・シュテルンシス氏と、シンガーソングライター兼ミュージシャンのプソイ・コロレンコ氏が主導している。戦時下に生まれながら長く埋もれていた楽曲群を学術的に発掘・復元し、ライブ演奏を通じて現代の聴衆に届ける取り組みである。

初のアジア公演地として上海が選ばれたことには、歴史的な背景がある。上海は第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの迫害を逃れた約1万8,000人のユダヤ人難民が亡命先とした都市であり、ユダヤ人コミュニティにとって特別な意味を持つ場所として知られている。公演地の選定には、こうした都市の記憶とプロジェクトの趣旨を重ね合わせる意図があるとみられる。

公演では、戦時下におけるユダヤ人の抵抗と生存の記憶をライブミュージックの形式で伝える。歌詞には当時の市井の人々が託した怒りや悲しみ、そして希望が刻まれており、楽曲の復元を通じて歴史の一次資料としての価値も再評価されている。

イディッシュ語はかつて東欧のユダヤ人社会で広く使われていた言語であり、ホロコーストによって話者が激減した歴史を持つ。本プロジェクトは、失われかけた文化遺産を音楽という形で次世代へ継承する試みとして、国際的にも注目を集めている。