国際石油開発帝石(INPEX)の上田隆之CEOは、同社が権益を持つ油田から生産される原油について、日本国内の製油所への販売を優先していく考えを明らかにした。
INPEXは日本最大の石油・天然ガス開発企業であり、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトをはじめ、中東・東南アジアなど世界各地で資源開発を手がけている。エネルギー安全保障の観点から、日本政府が同社の筆頭株主として一定の影響力を持つ中、自社生産原油の国内供給を重視する姿勢を改めて示した形となる。
日本は原油の大部分を中東地域からの輸入に依存しており、調達先の多角化と安定供給の確保が長年の課題となっている。INPEXが国内製油所向けの販売を優先することで、供給途絶リスクの低減につながることが期待される。
一方、世界的な脱炭素の潮流の中で、石油開発企業には再生可能エネルギーへの転換も求められている。INPEXも水素・アンモニアやCCS(二酸化炭素回収・貯留)といった新規事業への投資を進めているが、当面は既存の石油・ガス事業が収益の柱であり続ける見通しである。
今回のCEO発言は、エネルギー供給の安定性を重視する日本の政策方針と歩調を合わせたものといえる。