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TOTO、トイレで培ったセラミックス技術をAIチップ製造に応用

衛生陶器メーカーとして知られるTOTO(本社・北九州市)が、長年培ってきたセラミックス技術を半導体製造分野に転用し、AIチップ向け部品の主要供給企業へと変貌を遂げている。日経アジアが2025年4月28日に報じた。

TOTOは1917年の創業以来、トイレや洗面台といった衛生陶器の製造を通じてセラミックスの焼成・成形技術を磨いてきた。この知見を活かし、同社は半導体製造装置に組み込まれるセラミックス部品――静電チャックやセラミックスヒーターなど――を手がけるようになった。これらの部品はウェハーを精密に保持・加熱する役割を担い、先端半導体の製造工程において欠かせない存在となっている。

AIの急速な普及に伴い、高性能チップへの需要は世界的に拡大している。製造装置向け部品の需要もこれに連動して伸びており、TOTOのセラミックス事業は成長分野として注目を集めている。同社はセラミックスの材料配合や焼成温度の制御において高い技術力を持ち、微細な加工精度が求められる先端プロセスにも対応できる点が強みとされる。

衛生陶器メーカーがAI関連サプライチェーンの一翼を担うという構図は、日本の製造業が持つ「異業種からの技術転用」の底力を示す事例といえる。素材技術という目立ちにくい領域で、日本企業が世界の半導体供給網を支えている現状が改めて浮き彫りとなった。