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アジアの精製業者、中東情勢の不安定化を受け米国産原油の調達を拡大
イラン周辺の地政学的緊張が高まるなか、アジアの石油精製業者が中東産原油の供給不安に備え、米国産原油の調達を急速に拡大していることが明らかになりました。
取引関係者の情報によると、日本、韓国、シンガポール、タイなどアジア太平洋地域の精製業者が、2026年5月積み出し分の米国産原油を相次いで購入しています。日本の買い手が月初から先行して確保に動き、その後も韓国やシンガポール、タイの精製事業者が続いた形です。同地域の買い手が確保した米国メキシコ湾岸産の原油は、少なくとも6000万バレルに上る見通しとされています。
従来、アジアの精製業者は中東産原油に大きく依存してきました。しかし、イラン情勢をめぐる緊張が供給の安定性に影を落とすなかで、調達先の多様化を急ぐ動きが鮮明になっています。中東産原油の調達が滞った場合、燃料価格の上昇を通じてアジア各国の経済全体に影響が及ぶおそれがあるため、各国の精製業者は早期の手当てに動いたものとみられます。
米国産原油への転換が今後さらに加速するかどうかは、イラン情勢の推移や中東産原油の実際の供給量に左右されます。アジア経済にとって燃料の安定供給は不可欠であり、調達構造の変化が各国のエネルギー政策にどのような影響を与えるか、引き続き注視が必要です。