元記事公開:
イラクの新大統領は4月28日、実業家のアリ・ザイディ(Ali al-Zaidi)氏を次期首相候補として正式に指名しました。
背景——マリキ氏からの方針転換
イラク議会においてシーア派勢力の連携組織である「調整枠組み(Coordination Framework)」は、当初、ヌーリ・マリキ(Nouri al-Maliki)元首相を次期首相として推す方針でした。しかし、マリキ氏はイランとの関係が深いことで知られており、米国のドナルド・トランプ大統領がイラク側に対し、同氏の指名を支持しないよう強く求めたと報じられています。
数週間にわたる協議の末、調整枠組みは別の候補者を立てる方向へかじを切り、最終的にザイディ氏の指名に至りました。
米・イラン間で揺れるイラク政治
調整枠組みは、イランとさまざまなレベルで結びつきを持つシーア派派閥の連合体です。中東の地政学上、重要な位置を占めるイラクは、米国とイランの双方から影響を受けており、首相選出の過程はこうした大国間の対立構造を色濃く映し出しています。
今回のザイディ氏指名は、イラク指導部が米国との関係維持を重視した判断とみられます。今後、ザイディ氏が議会の信任を得て組閣に進めるかどうかが焦点となります。
今後の注目点
イラク憲法の規定では、首相候補は指名から30日以内に閣僚名簿を議会に提出し、信任投票を受ける必要があります。ザイディ氏がどのような閣僚構成を打ち出すのか、また調整枠組み内部の結束が保たれるのかについて、引き続き注視してまいります。