元記事公開:
イラン公式アカウント、低コスト型プロパガンダで閲覧数が30倍に増加
イランの公式ソーシャルメディアアカウントが、大規模な情報発信キャンペーンを展開していることが海外メディアの報道で明らかになった。「スロップアジャンダ」と呼ばれる、製作コストを抑えた低品質なコンテンツを大量に発信する手法を採用しており、紛争関連の情報戦が始まってから最初の150日間で、閲覧数がおよそ30倍に急増したという。
今回のキャンペーンでは、インターネット上で拡散しやすいミーム(画像や短い動画にテキストを添えたコンテンツ)が多用されている。こうした手法は「メーム戦争」とも呼ばれ、ユーモアや風刺を交えながら特定の政治的メッセージを広める情報戦略として知られている。報道によれば、トランプ前米大統領を題材とした内容が中心に据えられているとみられる。
「スロップアジャンダ」という呼称は、質よりも量を重視するプロパガンダ手法を指す造語である。従来の国家主導型プロパガンダは、映像や文章の品質に一定のコストをかけて制作されることが一般的だったが、ソーシャルメディアの普及に伴い、低コストで大量に発信する手法が台頭しつつある。
イランがこうした情報キャンペーンを展開する背景には、国際社会における言論空間でのプレゼンス強化や、米国との対立姿勢を発信する意図があるとの見方がある。デジタル時代の情報戦は、コンテンツの質よりも拡散速度と発信量が影響力を左右する局面が増えており、各国の対応が課題となっている。
今後、同様の手法が他の国家や組織にも広がる可能性があり、情報の受け手側のリテラシー向上も求められる状況である。