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エチオピア国内で、19世紀後半から20世紀初頭に統治した皇帝メネリク2世をめぐる歴史認識の分断が改めて注目されている。アフリカ関連の論説サイト「アフリカン・アーギュメンツ」の分析が伝えた。
同分析によれば、エチオピアの公開討論では歴史上の人物や時代が「善か悪か」の二項対立で語られる傾向が根強い。メネリク2世についても、近代国家の建設者として功績を称える立場と、周辺民族への征服・抑圧の指導者として批判する立場が鋭く対立している。
専門家はいずれの評価も歴史的記録の複雑さを十分に反映していないと指摘する。メネリク2世の統治期には国家近代化への取り組みと権力拡大に伴う不正義の双方が存在しており、単一の道徳的判断で捉えることは困難とみられる。
こうした歴史観の単純化は、現在のエチオピアが抱える政治的課題にも影を落としている。民族間の対立や経済的不平等、民主化の推進といった喫緊の問題に対処するには、過去の栄光の回復や過ちの一面的な非難にとどまらない、多角的な歴史理解が求められる。
複数の民族と宗教を内包するエチオピアにとって、自国の歴史を多層的に検証する姿勢が社会的統合の鍵を握ると指摘されている。歴史との向き合い方が、今後の国家運営のあり方を左右することになりそうだ。