元記事公開:
シンガポールのバス事業者タワートランジット(Tower Transit)が、高齢のバス運転手を対象に新たな職務内容を試験的に導入していることがわかった。定年退職を迎える運転手に対し、従来の運転業務とは異なる役割を用意することで、無理なく働き続けられる環境の整備を目指している。
高齢化が進むシンガポールでは、経験豊富なシニア層の就業継続が社会的な課題となっている。タワートランジットの今回の取り組みは、長年にわたり公共交通を支えてきた運転手たちの知見や経験を引き続き活かすことを狙いとしたものとみられる。新職務の具体的な内容は現時点では明らかにされていないが、身体的な負担を軽減しつつ、組織への貢献を続けられる仕組みづくりが期待されている。
コー・ポー・クーン(Koh Poh Koon)上級国務大臣は、柔軟な勤務形態の選択肢が不足していることが、高齢労働者の雇用維持における大きな障壁になっていると指摘している。パートタイム勤務や短時間勤務といった働き方の選択肢が、多くの企業で十分に整備されていない現状がある。
高齢化社会における労働力の確保は、シンガポールに限らず各国共通の課題である。企業が主体的に柔軟な勤務制度を整え、シニア層の経験やスキルを活かせる職務を開発していくことが、持続可能な雇用のあり方として今後ますます重要になるとみられる。