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フィリピンで高齢退職者が政府装う詐欺アプリにより生活貯金を失う被害

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フィリピンで、68歳の退職者が政府機関を装う詐欺師により生活貯金を奪われる被害が明らかになった。

被害者のアルバート氏(仮名)は昨年8月、同国の社会保障制度「Social Security System(SSS)」のアプリにログインできない状態にあった。そこへ、SSSの職員を名乗る男性から電話があり、「ウェブサイトがメンテナンス中であり、新しいアプリがリリースされた」と虚偽の説明を受けた。

詐欺師は本人確認を名目に、メッセージングアプリ「Viber」を通じて氏名、社会保障番号、住所といった個人情報の送信を要求した。その後、「新アプリ」として不正なリンクを提供し、インストールを促した。

このアプリにはマルウェア(悪意のあるソフトウェア)が含まれていたとみられ、インストール後に被害者のスマートフォンから銀行口座への不正アクセスが行われ、生活貯金が引き出された。

こうした手口は「Malware-as-a-Service(MaaS)」と呼ばれ、詐欺ツールを商品として流通させるサイバー犯罪グループによる組織的な犯行とされる。技術的な知識がなくても犯罪に加担できる仕組みが整えられており、被害の拡大が懸念されている。

特に高齢者はデジタル機器の操作に不慣れな場合が多く、標的にされやすい傾向がある。公的機関を装った電話やメッセージを受けた際は、公式の窓口に直接問い合わせて真偽を確認することが重要である。正規の政府機関がメッセージングアプリを通じて個人情報の提供を求めることは通常なく、こうした要求があった場合には詐欺を疑う姿勢が求められる。