フランス政府の閣僚は、レアアース(希土類元素)の供給や市場動向に関する情報を各国間で共有するための国際的な枠組み、いわゆる「情報共有クラブ」の設立を推進していく考えを示した。
レアアースは電気自動車のモーターや風力発電用タービン、スマートフォン、防衛装備品など幅広い先端技術に不可欠な素材である。現在、その採掘・精錬の大部分を中国が担っており、供給の偏在が各国の産業政策上の課題となっている。
フランスが提唱する枠組みは、参加国間でレアアースの埋蔵量、生産動向、価格変動、サプライチェーン上のリスクといった情報を共有し、特定国への依存度を低減するための協調行動を促すことを目的としている。具体的な参加国や制度設計の詳細については今後の協議に委ねられる見通しだが、欧州連合(EU)加盟国を中心に、志を同じくするパートナー国との連携が想定される。
背景には、中国が近年レアアースの輸出管理を強化している動きがある。各国は重要鉱物の安定確保に向けた取り組みを加速させており、米国やオーストラリア、カナダなども独自の鉱物戦略を打ち出している。フランスの今回の提案は、こうした国際的な資源安全保障の潮流に沿ったものといえる。
欧州では、EUが重要原材料法(Critical Raw Materials Act)を通じて域内での採掘・精錬能力の拡大やリサイクルの推進を進めている。情報共有クラブの構想は、こうした既存の取り組みを補完し、各国の政策判断に必要なデータ基盤を整備する役割を果たすことが期待される。