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ボッコーニ大学(イタリア)欧州政策研究所所長のダニエル・グロス氏が、ユーロと中国人民元が国際通貨体制において米ドルの地位に到達することは困難であるとの見解を示している。
グロス氏は、欧州議会の顧問を歴任したほか、欧州委員会の経済顧問としてユーロ創設計画に関わったデロール委員会に参加した経歴を持つ。国際通貨基金(IMF)での勤務経験もあり、国際金融制度に関する深い知見で知られる人物である。ユーロの誕生と発展を間近で見守ってきた立場から、現在の国際通貨をめぐる情勢を分析している。
グロス氏の指摘によれば、ユーロは誕生から30年以上が経過した現在も、国際決済や準備通貨としての役割において米ドルには及ばない状況が続いている。この差は単なる経済規模の違いにとどまらず、通貨が国際的地位を確立するうえで必要となる深層的な構造要因に起因するものとみられる。ユーロが直面してきたこの課題は、人民元の国際化においても同様の壁として立ちはだかる可能性を示唆している。
また、EU・中国間の経済関係についてグロス氏は、両者の間に根深い構造的緊張が存在すると指摘している。経済政策や市場メカニズム、通貨政策における相違が、表面的な対立にとどまらず長期的な制約要因として作用しているという。こうした構造的課題が、通貨の国際化をさらに困難にする可能性が高いと読み取れる。
今回の分析は、国際通貨制度における米ドルの優位性がいかに堅固なものであるかを改めて示すものといえる。