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国外に住む自国民や反体制派を監視・脅迫・弾圧する「越境的弾圧」(トランスナショナル・リプレッション)が、2025年に悪化しているとする報告書が公表された。
越境的弾圧とは、ある国の政府が国境を越えて、自国外に逃れた市民や反政府活動家に対し、暴力、逮捕、拷問などの人権侵害を行う行為を指す。近年は物理的な手段にとどまらず、オンラインでの監視や嫌がらせ、家族への圧力といった形でも広がっているとされる。
報告書によると、2014年以降、少なくとも54カ国がこうした人権侵害に関与していることが確認されている。この問題はかねて国際的な懸念事項として認識されており、人権団体や国連などの国際機関が繰り返し警告を発してきた。
2025年の報告では、こうした傾向がさらに加速しているという。背景には、デジタル技術の進展によって、国外にいる対象者を追跡・監視することが以前より容易になった事情があるとみられる。SNSや通信アプリを通じた情報収集、スパイウェアの利用なども指摘されている。
国際社会では、深刻な人権侵害に対して、より強固な国際的対抗措置や、亡命者・活動家を守る保護メカニズムの構築が求められている。各国の法制度の整備や、国境を越えた捜査協力の見直しも今後の課題となりそうだ。