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香港高等裁判所は、証券会社に勤務していた事務員ウォン・プイシャン(Wong Pui-shan)氏に対し、マネーロンダリング10件の罪で有罪判決を言い渡しました。
本件は約5年前に発生した事案です。ウォン氏は、中央人民政府国家安全保障維持弁公室(Office for Safeguarding National Security of the Central People’s Government)の職員を名乗る人物から接触を受け、同部門による調査の対象になっていると告げられました。その後、この人物の指示に従い、勤務先の証券会社から合計約31百万香港ドル(米ドル約400万ドル相当)を不正に引き出す10件の送金取引を承認したとされています。
背後には組織的な詐欺シンジケートの存在があり、当局者を装う「成りすまし詐欺」の手口を用いてウォン氏に協力させていたとみられます。高等裁判所は水曜日、ウォン氏の自白に基づき全10件について有罪と判断しました。ウォン氏自身も詐欺の被害者として騙されていた側面はあるものの、結果的に犯罪資金の移動に加担した責任を免れないとの判断が示された形です。
香港では近年、政府機関や法執行機関の職員を装って市民に接触し、金銭を詐取する成りすまし詐欺が深刻な社会問題となっています。本件は、こうした手口が個人の被害にとどまらず、企業の資金管理にまで及ぶリスクを改めて浮き彫りにした事例といえます。