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WHO、パンデミック条約の発効時期が不透明に——病原体共有ルールで交渉延長
世界保健機関(WHO)の加盟国は5月1日、新興感染症への対応強化を目的とするパンデミック条約について、交渉期間を延長することを決定した。病原体サンプルの共有ルールをめぐる各国の立場の違いが解消されておらず、昨年採択された同条約の発効時期は見通せない状況となっている。
パンデミック条約は、新型コロナウイルス感染症への対応から得られた教訓をもとに、感染症危機における国際協力体制の強化を図るものである。条約の柱のひとつが、各国で発生した病原体サンプルの迅速な共有と、そこから得られる医薬品・ワクチン等の利益配分に関する枠組みの整備にある。
しかし、この共有ルールの設計をめぐっては、先進国と発展途上国の間で意見の隔たりが残っている。先進国側は研究開発の迅速化に向けた円滑なサンプル共有を重視する一方、途上国側はサンプル提供に見合う利益の公正な還元を求めており、知的財産権の取り扱いも論点のひとつとなっている。
加盟国は、こうした複雑な課題の解決には追加の協議が不可欠と判断し、交渉の継続を選択した。条約の正式な発効は当初の想定より後ずれすることが確実な情勢である。
感染症対策における国際協力の枠組みは、グローバルなヘルスセキュリティの基盤として欠かせない。各国が互いの立場を尊重しながら、建設的な議論を積み重ねていくことが求められている。