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ゲノム配列決定分野の先駆者として知られるクレイグ・ベンター(J. Craig Venter)氏が79歳で亡くなった。米国の公共ラジオ放送NPR(National Public Radio)が報じた。
ベンター氏は「ホールゲノムショットガン法」と呼ばれる革新的なゲノム配列決定手法を開発したことで、国際的に高く評価されてきた研究者である。この手法は、ゲノムDNAをランダムに断片化して個別に配列を読み取り、コンピュータ上で再構築するというアプローチをとる。従来の手法と比較して配列決定のプロセスを大幅に高速化し、必要な費用も削減できたことから、ゲノムシーケンシング分野に急速な技術進展をもたらした。
2000年代初頭のヒトゲノム計画においては、ベンター氏が設立した民間企業セレラ・ジェノミクスが国際公的プロジェクトと並行してヒトゲノムの解読に取り組み、両者がほぼ同時期に成果を発表したことは広く知られている。この競争が結果としてゲノム解読の加速につながったと評価されている。
ベンター氏が確立した方法論は、現代の生物医学研究を支える重要な基盤となっている。その技術は世界中の研究機関や医療分野で広く活用されており、ゲノム解析の普及と民主化に大きく貢献した。科学コミュニティからは、生命科学分野の発展に多大な功績を残した人物として敬意が寄せられている。