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サムスン電子の実質的創業者であるイ・ゴンヒ(Lee Kun-hee)会長が2020年に逝去した際、同一族は二つの大きな課題に直面した。一つは数十億ドル規模とされる莫大な相続税であり、もう一つは経営の後継体制を巡る問題であった。
2021年には、後継者である長男のイ・ジェヨン(Jay Y. Lee)氏が、韓国の朴槿恵(パク・クネ)元大統領に対する贈賄の罪で有罪判決を受け、収監される事態となった。巨額の相続税負担と後継者不在の状況が重なり、一族によるサムスングループへの支配権が揺らぐのではないかとの見方も広がっていた。
しかし、その後わずか1年の間に、サムスン一族の資産規模は約45億ドル(約6,700億円相当)増加したと報じられている。相続税の支払いによる財務的な圧迫にもかかわらず、グループ全体の業績回復や株価の上昇が資産の回復を後押ししたとみられる。
この急速な立て直しは、世界有数の電子機器メーカーとしてのサムスンの経営基盤の強さを改めて示す結果となった。相続税の負担と後継者の法的問題という二重の困難を乗り越えた点は、同グループの事業の安定性と競争力を裏付けるものといえる。
なお、イ・ジェヨン氏はその後仮釈放を経て経営に復帰しており、サムスン電子の半導体事業の強化やAI分野への投資拡大など、次の成長戦略を推進しているとされる。