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シンガポールの大卒者に広がる「やりがい重視」の就職観
シンガポールで、大学を卒業した若い人材が自身の学歴や資格に必ずしもこだわらず、やりがいや自己実現を優先して職業を選ぶ傾向が見られるようになっています。従来のキャリアパスの常識が、少しずつ変わりつつあるようです。
その象徴的な事例として、南洋理工大学(Nanyang Technological University)でビジネスを専攻したウォーレン・ニオ(Warren Neo)氏(29)のケースが挙げられます。ニオ氏は2023年に学位を取得した後、人的資源部門への就職を検討していましたが、大学時代のパートタイム勤務を通じてコーヒーの製造に強い関心を抱くようになり、最終的にフルタイムのバリスタとして働く道を選びました。ニオ氏は「人事職に進むことも考えたが、コーヒーを淹れることに本当の興味を見出した。バリスタとしての道を試す機会を自分に与えることにした」と語っています。
こうした選択をする若い世代に共通しているのは、賃金や肩書よりも「意味のある仕事」を求める姿勢です。シンガポール経済が高度化し、物質的な充足がある程度満たされるなかで、自分の仕事に納得できるかどうか、やりがいを感じられるかどうかが、キャリア選択における重要な基準になってきたと考えられます。
伝統的には、大学卒業者が専門職や管理職を目指すのは当然のこととされてきました。しかし、今回のような事例は単なる個人の決断にとどまらず、社会全体の価値観が徐々に変化していることを示唆しているのかもしれません。今後、こうした傾向がどのように広がっていくのか、注目されます。