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こども家庭庁は、病院および長期医療施設における患者への性的暴力・虐待の実態を把握するため、初の全国調査を実施し、その結果を公表した。
調査は全国約5,000機関を対象に行われ、1,113機関から回答を得た。回答率は約22%にとどまったものの、回答機関の15%以上で患者に対する性的虐待の事例が記録されていたことが判明した。回答率の低さを踏まえると、実際の被害件数はさらに多い可能性があり、報告書でも「真の規模はより大きい恐れがある」と指摘されている。
記録された事案の多くは、精神科の医療スタッフによるものであったという。精神科では患者が精神的に脆弱な状態に置かれやすく、医療従事者との間に著しい権力の不均衡が生じることから、被害のリスクが高まる構造的な要因があると考えられている。
患者への虐待行為は、被害者の身体的・心理的な損害にとどまらず、医療機関全体への社会的信頼を損なう深刻な問題である。今回の調査結果は、医療従事者に対する倫理研修の強化、通報体制の充実、患者保護制度の整備など、医療現場における構造的な改善が急務であることを示している。
多くの機関が調査に応じていない現状もあり、今後さらなる実態把握と対策の具体化が求められる。