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米国がフィリピン国内に大規模なハイテク産業拠点「経済安全保障ゾーン」を構築する計画を進めていることが、複数の報道で明らかになった。インド太平洋地域における中国の技術的影響力の拡大に対抗し、同盟国との経済的な結束を強化する狙いがあるとみられる。
報道によれば、同拠点はフィリピン国内に約4,000エーカー(約1,619ヘクタール)の敷地を確保し、米国の法的枠組みに基づいて運営される構想だという。フィリピンの領土内でありながら米国の司法・行政制度が適用されるという、極めて異例の法的配置が検討されている。通常の国際条約とは異なるかたちでの主権的取り決めとなる可能性があり、今後の国際法上の議論を呼ぶことも考えられる。
本計画は「Pax Silica(パックス・シリカ)」と呼ばれる米国主導のイニシアティブの一環とされる。同イニシアティブは、民主主義国家の同盟国と連携し、半導体やAI(人工知能)といった重要技術分野での競争力を確保することを目的としている。地政学的な技術競争が激化するなか、西側諸国の技術サプライチェーンにおける優位性を維持する戦略の一端といえる。
フィリピンに建設が予定される施設は「AI-native investment acceleration hub(AIネイティブ投資加速ハブ)」として世界初の拠点になるとされ、高度な技術人材や企業の集積を通じ、インド太平洋地域におけるテクノロジー産業の中核としての役割が期待されている。
米中間の技術覇権をめぐる競争が続くなか、米国は同盟国との経済統合を加速させる姿勢を鮮明にしている。本構想が実現すれば、グローバルなテクノロジー供給網の再編に一定の影響を与える可能性がある。今後の具体的な進展が注目される。