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米SECが取引データベースへの意見公募を再開
米証券取引委員会(SEC)は、市場参加者の取引情報を統合的に記録する大規模データベース「統合監査証跡(Consolidated Audit Trail、CAT)」に関連する仕組みについて、新たな意見公募を開始した。対象となるのは、取引監視の実効性を高めるための枠組みと、その運用コストを市場関係者がどのように分担するかという論点である。
CATは、2010年の「フラッシュ・クラッシュ」を契機に市場横断的な取引データを一元的に把握するために整備が進められてきた仕組みで、米国株式・オプション市場の注文や約定の履歴を詳細に追跡できる点に特徴がある。一方で、個人投資家の識別情報まで含めて大量のデータを集約することへの懸念や、情報漏えいリスク、年間数百億円規模に達するとされる運用費用の負担配分をめぐり、証券会社や取引所から繰り返し異論が示されてきた。
今回の公募では、こうした費用分担の方式や、データ保護に関する追加的な要件、業界側が提示している代替案の扱いなどが主な論点となる見通しである。SECは関係者からの書面提出を受け付けたうえで、必要に応じて規則改正の判断を行うとしている。
編集部としては、市場監視の強化と投資家のプライバシー保護、コスト負担の公平性という複数の要請がどう調整されるかが焦点になると見ている。今後の意見内容と当局の対応を引き続き注視したい。