元記事公開:
香港の保安局長クリス・タン(Chris Tang Ping-keung)氏は、警察と消防の間で用いられている緊急通信手段をファックスからデジタルシステムへ移行する改革案を発表した。立法会財政委員会での発言の中で示されたもので、コールセンターの電話回線増強もあわせて計画されている。
改革の背景には、大埔(タイポ)地区で発生した死亡者を伴う火災事故がある。独立委員会による事故調査の審問では、緊急通報を行った住民が警察から消防への転送手続きで最大15分間待たされていた事実が明らかになった。緊急時にこれほどの遅延が生じることは、人命救助の機会を損なう重大な問題として指摘されている。
こうした遅延の原因は、警察と消防の連絡体制がファックスに依存していた点にあるとみられる。ファックスによる通信は転送に時間を要し、リアルタイムでの情報共有が難しいため、火災発生時に迅速な連携を取ることが困難な状況にあった。今回の改革によりアナログ通信を廃止し、デジタルシステムへ一本化することで、情報伝達の速度と正確性の大幅な向上が期待される。
あわせて、コールセンターの電話回線を増強し、複数の緊急通報へ同時に対応できる体制を整備する方針も示された。ピーク時の通報集中にも耐えうる体制が構築されれば、緊急事態における対応時間の短縮につながるとみられる。香港政府は今回の事故を教訓に、公安・消防インフラの近代化を進める姿勢を明確にしている。