香港・九龍半島の尖沙咀(チムサーチョイ)に位置する複合ビル「重慶大厦(チョンキンマンション)」が、長年まとわりついていた負のイメージを払拭し、文化的ランドマークとして新たな評価を受けつつある。
重慶大厦は1961年に建設された17階建ての巨大ビルで、内部には安価なゲストハウスや両替商、各国料理のレストラン、携帯電話店などがひしめき合う。南アジアやアフリカをはじめとする世界各地からの移民や旅行者が集まることから「アジアで最もグローバルな場所」とも称されてきた一方、治安面での懸念や雑然とした環境から敬遠されることも少なくなかった。
近年では、多文化が交差する独自の空間としての価値が再認識されている。香港の人類学者ゴードン・マシューズ氏はかねてより重慶大厦を「草の根のグローバリゼーション」の象徴として研究しており、学術的な関心も高い。映画監督ウォン・カーウァイの作品『恋する惑星』(1994年)の舞台としても広く知られ、映画ファンや観光客の訪問先としても定着している。
ビル内の衛生環境や防火設備の改善が進められてきたことも、イメージの転換に寄与しているとみられる。多様な文化背景を持つ人々が日常的に行き交うこの場所は、均質化が進む都市空間のなかで、香港の多文化共生を体現する存在として改めて注目を集めている。
※本記事は公開情報に基づき構成しており、元記事の詳細な要約が提供されていないため、一般に知られている事実を中心にまとめている。追加情報があれば加筆・修正を行う。