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香港で発生した数十年ぶりの大規模火災をめぐり、消防当局が携帯電話向けの緊急警報システムの起動を見送っていたことが明らかになった。昨年、大埔(タイポー)地区の王福苑(ワン・フク・コート)で起きた火災について調査する独立委員会の公開審問において、4月25日に関係者が証言した。
証言によれば、消防当局が警報システムの起動を控えた理由は主に二点ある。第一に、携帯電話から発せられる大音量の高周波音が、建物内に取り残された住民のさらなる混乱を招く恐れがあったこと。第二に、同システムが実際の避難誘導にはほとんど寄与しないと判断したことである。
同火災は香港において数十年ぶりの規模の死傷者を記録した惨事であり、大きな社会問題となっている。今回の公開調査では、火災の原因究明にとどまらず、消防の初動対応や安全システムの運用判断についても詳細な検討が進められている。
警報システムを起動しなかった判断が住民の避難行動にどの程度影響を及ぼしたのか、また他に取り得る選択肢があったのかといった点が、調査の焦点となっているとみられる。今後の審問では、緊急警報システムの運用基準の見直しについても議論が及ぶ可能性がある。