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欧州連合(EU)と南米共通市場メルコスール(Mercosur)の自由貿易協定が4月30日、暫定的に発効した。欧州司法裁判所に法的異議が提起されていたものの、予定どおりの発効となった。
メルコスールはアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイの4か国で構成される経済圏である。同協定は20年以上にわたる交渉を経て2019年に基本合意に達しており、今回の暫定発効により、両地域間の関税撤廃や市場アクセスの改善が段階的に進む見通しとなった。
EU側にとっては、自動車や医薬品といった製造業製品のメルコスール市場への進出が容易になると期待される。一方、南米産の農産物がEU市場により多く流入することも予想されており、農業セクターへの影響を懸念する声は根強い。とりわけフランスは、農業従事者の保護を理由に強い懸念を表明してきた。環境基準や労働基準の維持をめぐっても、EU域内で意見が分かれている状況にある。
今回の暫定発効は、加盟各国による本格的な批准が完了するまでの暫定措置として位置づけられている。協定の主要な条項が先行的に適用される仕組みであり、今後は欧州議会での正式な批准手続きが進められる予定である。批准が完了すれば、両地域の経済関係に長期的かつ大きな変化をもたらす可能性がある。