元記事公開:
ヘルソン美術館で判明した大規模な文化財の喪失
2022年11月、ウクライナ軍がヘルソン(Kherson)を奪還した直後、ヘルソン美術館(Kherson Art Museum)の館長アリーナ・ドツェンコ(Alina Dotsenko)氏が館内へ戻り、深刻な被害が明らかになりました。ロシア軍の占領期間中に、数千点にのぼる美術品が持ち去られていたのです。
ドツェンコ館長は「空になった保管室と棚を目にしたとき、足に力が入らなくなり、壁の横に座り込んでしまった」と、当時の衝撃を振り返っています。
1万4000点超のコレクションが標的に
ロシアによる本格的な侵攻が始まる2022年初頭の時点で、同美術館はアメリカや日本を含む世界各地の美術作品を擁する1万4000点超のコレクションを所蔵していました。これらはウクライナの重要な文化遺産であり、占領地における組織的かつ大規模な略奪行為によって失われたとみられています。
インターポールとの連携で国際的な追跡を推進
ウクライナ当局は現在、国際刑事警察機構(インターポール)と協力し、盗難された文化財の追跡および国際市場での出現監視に取り組んでいます。戦争に伴う文化遺産の喪失は、ユネスコをはじめとする国際社会からも強い関心が寄せられている問題です。回収に向けた国際的な連携が着実に進められています。
文化財の保護と返還は、紛争終結後の復興においても重要な課題となる見通しです。